SFC修行って何?
陸マイラーがANAの上級会員になるために、飛行機に乗ることをSFC修行と言います。
なぜ、修行なのかはひとまず置いといて、SFCが何なのかを説明いたします。
SFCとは
SFCとは、『Super Flyers Card(スーパーフライヤーズカード)』の略になります。
スーパーフライヤーズカードとは、ANA(全日本空輸)が発行している、「ダイヤモンドサービス」メンバー、または「プラチナサービス」メンバーが申し込めるクレジットカード機能付きの年会費有料カードです。
「ダイヤモンドサービス」メンバー?
「プラチナサービス」メンバー??
更に、わからない言葉が出てきてしまいましたが、これはANAの上級会員制度には、ダイヤモンド、プラチナ、ブロンズの3種類があって、その会員になるためには、飛行機に乗って、プレミアムポイント(通称:PP)を貯めればなることができます。
「プレミアムポイント?」また、わけのわからない言葉がでてきましたね。
飛行機に乗って貯めるものと言えば、マイルが有名ですが、マイルとプレミアムポイントは全然違います。
マイルとは
「マイレージ」は航空会社が実施しているポイントプログラムのことで、「マイル」はそのポイントの単位になります。
(なので、マイル=ポイントと考えればOKです)
航空会社ごとに貯めることができます。
日本では、2大航空会社のANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)がそれぞれ独自のマイレージを発行しております。
ちなみに、それぞれの航空会社のマイレージの正式名称は、
JALマイル=JAL Mileage Bank(JALマイレージバンク)
ANAマイル=ANA Mileage Club(ANAマイレージクラブ)
略してJMB、AMCと呼ばれることもあります。
ある一定数貯まると、特典航空券と言って、タダで飛行機に乗ることができます。
通常は、飛行機に乗ることによって貯めることができるポマイルですが、クレジットカードを利用したり、ポイントサイトで利用したりすることによって貯まるポイントをマイルに交換することもできます。
サーフィンをやらないけど、サーファーの格好をしている人たちを陸サーファーと呼ぶように、飛行機に乗らずして、マイルを貯める人たちのことを、陸(おか)マイラーと呼びます。
陸マイラーには
がいると、かのパラダイス山元氏は、ご自身の名著で説明してくれています。
詳しくは、こちらを
プレミアムポイントとは
プレミアムポイントとは、1月~12月の間に、ANAグループ運航便や、ANAも加盟しているスターアライアンス加盟航空会社に搭乗することで、マイルとは別に積算されるポイントのことになります。
プレミアムポイントは、マイルと違って、クレジットカードを利用したり、ポイントサイトを利用したりしても貯めることはできません。
純粋に飛行機に乗ることだけで貯めることができるのです。
この1月~12月の間に獲得したプレミアムポイント数に応じて、翌年のANAの上級会員ステータスが決まります。
プレミアムポイントとマイルの大きな違いは、マイルと違ってプレミアムポイントは飛行機に乗ることによって貯めることができ、貯まったポイントを何かに交換することができないということです。
では、何故、このプレミアムポイントを必死で貯めようとするのか
ANA上級会員ステータス
ANAの上級会員、つまりお得意さまには3種類の階級があります。
- ブロンズ
- プラチナ
- ダイヤモンド
言葉の響きから、どれが一番上級会員なのかは、わかると思います。
(オリンピックになじみがあるせいか、何故、ブロンズ⇒シルバー⇒ゴールドにしないのか疑問に思います)
ちなみに、この上級会員になると受けられるサービスとは
専用サービスデスクがあったり、
出発まで空港内のラウンジでのんびりできたり、
優先のチェックインカウンターがあって、長い列をなしている保安検査場に並ばなくてよかったり、
預けた手荷物が最初にでてきたりと、
いろいろなお得意様特典が満載なのです。
(この良さは、一言で言い表せないので、また別途、記事にします)
ステータス獲得条件
それぞれの上級会員になるために、必要となるプレミアムポイント数は
- ブロンズ 30000
- プラチナ 50000
- ダイヤモンド 100000
です。
いまいちパッとしないですよね。
SFC修行僧と呼ばれる人たちが、目標とするプラチナサービスメンバーになるためには、50000プレミアムポイント必要となるのですが、
羽田⇒伊丹
で、280~1240PP貯まります。
何故、最低から最高までの間に、1000ポイントも差があるのかというと、予約した航空券の種類や、座っている座席のグレードによって変わってしまうのです。
飛行機の前方にある、ゆったりとしたシートのことを、ANAではプレミアムシートと呼びます。
(一般的には、ファーストクラスと呼ばれているようなものですが、厳密にいうと違います)
この座席を、割引なしの正規料金で購入した場合には、片道1240PP貯まります。
つまり、41回(20往復半)搭乗すれば、プラチナクラスになれることになります。
月に2回のペースで、大阪に出張していて、プレミアムシートを利用できるような恵まれた環境の出張族の方は、苦労せずに悠々と達成できるかもしれませんが、普通、出張では、エコノミークラスに搭乗することが多いと思われますが、この場合、正規料金で乗った場合で960PP、多少、運賃の割引がきいた特割とよばれる航空券で登場した場合は、820PPとなります。
前者の正規運賃で、53回(25往復半)、特割で61回(30往復半)と、2週に一回のペースで羽田⇔伊丹の往復をしていると達成できます。
年間で意味もなく飛行機に50回程度搭乗するって、普通の人からしたら狂気の沙汰ですよね。
だから、自虐的な意味も込めて、修行と言っております。
ちなみにかかる費用ですが、ゆったり座ってられるプレミアムシートの正規料金は、34490円。
エコノミーの場合、正規料金で25490円。特割だと14090円になります。
(特割の場合、搭乗する時期や時間帯によって価格が変動します。中間的な料金を表示)
プレミアムポイント単価
ちなみに、50000pp貯めるのにかかるお金ってどれくらいだと思われます。
搭乗回数が少なく、ゆったりと座っていられるプレミアムシートを正規料金で修行した場合、1414090円かかることになります。
エコノミーの場合、正規料金で1350970円、特割で859490円。
いくらANA上級課員(プラチナステータス)が魅力的だからとは言って、こんな大枚をはたいて獲得する必要があるのか、一般の方々には、はなはだ疑問を感じるとは思われます。
当然、修行僧たちもかかる費用は極力低く抑えたいと思っているので、プレミアムポイント単価(通称:ppt)と呼ばれる、いくらでどれくらいのプレミアムポイントを獲得できるかを測る指標を使っています。
例えば上記で、全工程がプレミアムシートだった場合、かかった費用が1414090円なので
エコノミーだった場合、正規料金の場合、27.1円。特割の場合、17.2円となります。
1回の搭乗金額からすると、プレミアムシートは正規料金が34490円かかっているので一見高そうに見えますが、1回のフライトで多くのプレミアムポイントを得られるので、実はエコノミーの正規料金でかかる費用と、それほど変わらないことがわかります。ご存知の通り、飛行機の搭乗料金は、搭乗する時期や予約するタイミングなどによって、割安な料金設定がされているものが多く存在します。
だから、修行僧の中では、このppt効率がよい路線を探しては修行を行っています。
ちなみに、ひとつの基準として、pptが10円以下だと効率の良い路線とされているようです。
解脱
見事、年間で50000プレミアムポイントを貯めた修行僧は、晴れてANA上級会員(プラチナ)になることができます。
これで辛く困難な修行から解放されるという意味合いも込めて、50000プレミアムポイントを貯め切ったことを、解脱と表現されています。